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【特集】食品の残留農薬などの分析現場をレポート!日本の食の安全を守る 残留農薬問題や消費期限・賞味期限切れ商品の販売など、食の安全に関する話題がニュースにならない日はありません。今回は日本の食の安全を守る、残留農薬検査の現場を特集します。

現場で働く人にインタビュー!

中央研究所長(環境計量士)横下正彦さん週に8回は本屋に行くという読書家。学会誌のような専門書はもちろんのこと、ジャンルを問わず、目を通す本は月に30冊を超える。取材中に何度も感じた広い視野、経営的観点からの話に納得した。
中央研究所の立ち上げから携わり、現職に就くまでで一番うれしかったことは何かと尋ねると、「部下に恵まれたことです」と一言。
昨今大きく取りあげられているニュースの影響もあり、同社への分析依頼が急増。しかし、そのような事態が予想できた時点で、部下たちが自ら休日を返上した勤務スケジュールを提出してきました。「逆に、週に1日は休日をとるようにと部下たちに指示したぐらいなんです」と横下さん。食の安全を守るという強い自負、職業意識の高さを改めて感じたエピソードだった。
01 株式会社キューサイ分析研究所の現場レポート! >>
02 残留農薬などの検査・分析の流れ/会社情報 >>

01.株式会社キューサイ分析研究所の現場レポート!

株式会社キューサイ分析研究所

株式会社キューサイ分析研究所
残留農薬・抗生物質専門機関

厚生労働省登録検査機関
(厚生労働省発九厚第174号)
ISO/IEC17025認定試験所(範囲限定)

【日本の食の安全を守る】

感度:約10億分の1

青汁で知られる健康食品会社「キューサイ」(福岡市)の関連会社で、食品の残留農薬などを分析する「キューサイ分析研究所」(福岡県宗像市)。「お客様の口に農薬を入れない」というポリシーのもと、キューサイが98年に母体となる研究所を設立し、その後、社外からの受託分析事業も始め03年に分社化された会社だ。改正後のポジティブリスト制に対応できるよう、残留農薬の検査に使用している検査機器は、25mプールに数滴落とした農薬も検出できる感度。1滴は25mプールの水量の約10億分の1にあたる。さらに信頼性の高い分析結果を提供できるようにと、昨年11月にISO/IEC17025を取得している。

農産物に残留する農薬については、食品衛生法において残留基準が設定され、この基準を超えたものは流通が禁止されており、残留基準が設定されていないものは規制の対象外とされていた。しかし05年より、残留基準の対象範囲が拡大され、これまで残留基準が設定されていない農薬の場合でも一定の基準を超えて検出されると、その農産物の流通が禁止されることになった。

【縁の下の力持ち、分析技術職が担う企業の安全】

分析検査が開発・流通させている自社製品の安全性などを支えている。
それを怠って生じるリスクはあまりにも大きい。分析技術職は研究者の補助的役割とみられることもあるが、企業で果たしているその役割は大きく、企業の底力と言えるだろう。「分析のルーチンワークがすべての基礎になります。与えられた業務に習熟すること、その経験・実績が次のステップに必ず結びつきます」と研究所長の横下さん。昨日より1分でも早く、しかも正確に分析検査を行なう。
日々の仕事の中に課題を設定し、技術力・精度を上げていくことがやがて大きな業績に結びついていく。「深く穴を掘れ。必ずその穴の直径は自然に大きくなっていく」。豊富な検体での分析実績を持ち、農薬一斉分析625種で独走を続ける企業の神髄を見た。

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02.残留農薬などの検査・分析の流れ

キューサイ分析研究所が誇る、625種類もの農薬の一斉分析。
分析可能な検体は、野菜・果物はもちろんのこと、鶏肉・豚肉などの畜水産品、缶詰製品などの加工品、お茶やコーヒー、ウスターソース、スパイスといった調味料や食用油までその対象は幅広い。しかもその分析結果は3日程度で出るという※1。より早く、正確な検査が求められる、同研究所での分析の流れをたどってみた。
※1 検査結果の報告時期は夾雑物や検査依頼の状況による。

【検査・分析の流れ】

1 検体受付

必要検体量は残留農薬一斉パッケージの場合、生鮮品は500g以上、乾物・茶葉などで300g以上(分析内容によって、必要量は異なる)。

2 試料の均一化

持ち込まれた検体は食品衛生法の「公定法」に従って処理が行なわれる。検体をミキサーにかけてドロドロにし、分析の妨げとなる夾雑物をフィルターなどを使い可能な限り取り除く。河川の水質分析などであればこの工程は単純だが、生鮮食品から加工品まで取り扱うため、この工程が後に与える影響は大きい。
検体の取り違えなどが起こらないよう、リスク管理が徹底して行なわれている。

3 抽出・精製

検体の成分の抽出を行なうためには、化学の知識だけでなく、その検体がどのように調理されてできているものかなど、食品についての知識も求められる。必要な成分を抽出するために、抽出溶媒やカラム選定の的確な判断が重要となる。豊富な取り扱い検体の経験から独自のノウハウが蓄積されており、一斉分析の早さ・正確さを支えている。

4 測定

625種類の農薬分析の内、約200種はHPLC※2で行なわれ、残りはGC(ガスクロマトグラフィー)が用いられている。毎日全ての測定機器の精度がチェックされており、メーカーでトレーニングを受けた専任のスタッフがいる。メーカーの技術者に依頼して行なうレベルのメンテナンスも自社で実施。
※2 HPLCについては研究用語辞典ページで詳しく解説しています。

5 解析

食品中には農薬以外の成分が非常に多く、「機械まかせでは正確な結果報告が困難」ということから、全てを人の目で見てデータ解析が行なわれている。時間がかかる解析作業は自社開発ソフトを使用し、研究所外部に別室を設け行なわれている。

会社情報

株式会社キューサイ分析研究所

「お客様のお役に立ち、喜ばれる分析パッケージを開発・発信し、 信頼性の高い検査を通じて世の中へ安心と安全を提供します。」

・ポジティブリスト制対策(飛散農薬)対応に
・農薬使用履歴不明の検体に
一分析652農薬 業界NO.01(¥262,500)
※平成19年度モニタリング検査対象農薬502項目のうち442項目を含みます。

豊富な分析経験・技術力により、どのような検体でもお引き受けします。
お問い合わせ:092-751-5832 詳しくはHP:http://www.nouyaku-bunseki.net

厚生労働省登録検査機関(厚生労働省発九厚第174号)
ISO/IEC17025認定試験所(範囲限定)

【会社概要】

設立:2003年1月24日
資本金:1,000万円
代表者:代表取締役 江畑 賢一
社員数:従業員数 90名(2008年1月1日現在)
事業所:
本社:福岡県福岡市中央区草香江1-7-16
中央研究所:福岡県宗像市王丸411-1

【沿革】

2003年1月 株式会社キューサイ分析研究所 設立
2004年12月 厚生労働省登録検査機関に登録
2007年11月 ISO/IEC17025 試験所認定取得
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