研究用語辞典

加水分解とは

化学系

最終更新日:2023.04.17

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加水分解とは

加水分解(hydrolysis)とは、化合物が水と反応することによって起こる分解反応のことを言い、水解とも呼ばれます。 極性を持つ化合物(AB)が水(H2O)と反応すると、水分子は、水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH-)とに分割され、OH-は陽性であるAと、H+は陰性であるBと結合します。

AB+H2O→AOH+BH

例として、酢酸ナトリウムの加水分解反応を示します。酢酸ナトリウム(CH3COONa)の分子が水に溶解すると、酢酸イオン(CH3COO-)とナトリウムイオン(Na+)に分解します。
酢酸イオンはそのままでは安定度が低いため、水分子(H2O)から水素イオン(H+)を奪い、これと結合して安定度の高い酢酸分子(CH3COOH)に変わります。
一方、ナトリウムイオンと水酸化物イオンは、互いに結合することにより水酸化ナトリウムを生成します。水酸化ナトリウムは強アルカリで電離度が高く、溶液中ではイオンに分離した状態で存在します。

CH3COONa→CH3COO+Na
    CH3COO+Na+H2O→←CH3COOH+Na+OH

また、酸とアルコールの脱水縮合により生成した酢酸エチルのようなエステル(-COO-)化合物は加水分解によりもとに戻ります。なお、脱水縮合とは2つの分子からHおよびOH基を取り去り、2つの分子を結び合わせることをいいます。

CH3-C-O-C2H5+H2O→CH3-C-OH+C2H5OH

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