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化学系の用語熱分析装置

【熱分析装置とは】

熱分析装置とは、物質が温度変化によって状態が変化する様子をリアルタイムに測定する装置です。一般的に物質の変化には融解、凝固や気化などのいわゆる物質の三態変化が挙げられますが、熱分析装置ではさらに、ガラス転移(液体状態から分子が不均一なまま固体化する状態変化)や熱分解(加熱することによる化学分解)などを測定することができます。
熱分析には様々な技法が確立されており、重量や熱量等、サンプルのどの性質を調査するかによって、使い分けられます。

(1)示差走査熱量分析装置(Differential scanning calorimetry:DSC)

物質の三態変化には吸熱や発熱が伴います。DSCでは、吸収される、あるいは放出される熱エネルギーを電気的信号として捉え、状態変化が起こる温度およびエンタルピーを測定することが可能です。また微小なエネルギー変化にも対応しているため、ガラス転移や熱分解に要するエンタルピーも測定できます。
サンプルと基準物質を同時にプログラムに従って一定速度で温度変化させ、両者の温度を熱電対によって感知します。基準物質には、測定する温度帯において状態変化を起こさない物質(酸化アルミニウム(融点:2054℃、沸点:3000℃)など)を使用します。サンプルと基準物質に温度差が生じた場合、差がなくなるように電気エネルギーを供給します。このときに要した電気エネルギーが発熱や吸熱などによる熱量の変化に対応し、そのときの温度も同時に測定します。

(2)示差熱分析装置(Differential thermal analysis:DTA)

DSCではサンプルと基準物質を同じように温度変化させ、それに要する電気エネルギーを測定しましたが、DTAではサンプルおよび基準物質に送る電気エネルギーを一定にし、サンプルと基準物質の温度の差を測定します。DTAの基準物質もDSCと同様、温度帯において状態変化を起こさない、酸化アルミニウムやベンゼンなどを使用します。
また、DTAもDSCと同じく、状態変化に伴うエンタルピーを測定することができますが、DSCの方がより高感度に測定することができるため、一般的には状態変化を及ぼす温度の測定のみに使用されます。

(3)熱重量測定装置(Thermogravimetry:TG)

TG はサンプルを一定速度で加熱しながら重量変化を連続的に測定する装置です。
サンプルと基準物質を天秤ビームに載せて、サンプルと基準物質を一定の速度で加熱します。その過程でサンプルに重量変化が起こると天秤の傾き、その差を電気的に計測して重量変化を求め、温度に対して記録します。
近年では、DTAとTGの同時測定装置が普及しつつあります。

【熱分析装置の実用動向】

物質の三態変化 熱分析装置は材料科学・材料工学分野において、薬品の品質管理や樹脂などの材料の特性を測定するために使われています。また食品分野でも、食品(主にアイスクリームやチョコレート)の口どけの測定のために使われており、産業界では汎用性が高い装置です。

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