研究用語辞典

イオンクロマトグラフとは

化学系

最終更新日:2023.09.22

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イオンクロマトグラフとは

イオンクロマトグラフは液体クロマトグラフの一種で、無機イオンや有機酸等のイオン性物質やタンパク質・核酸・アミノ酸等電荷を持つ分子を含むサンプルの定性・定量を行う装置です。
電荷をもつ物質の分離・精製、分析にはおおむねこの方法を用いることができるため、有機化学・食品栄養学・生化学等幅広い分野で使用されています。イオンクロマトグラフは固定相としてイオン交換体を用います。
物質の電荷の強さにより、イオン交換体上に留まる時間が異なることを利用して、サンプル中の物質を分離します。
基本的な機器の構成はHPLCと同様ですが、イオン性物質測定にはカラム部と検出部の間にサプレッサー部を持つものがよく使われます。検出器に電気伝導度検出器を用いることが多く、移動相中に元から含まれているイオンをサプレッサー部で排除し、検出感度を増します。
分離された溶液の電気伝導度を測定することによって、移動相のみを流した場合との電気伝導度の差から、対象とするサンプル中の物質の定性・定量分析を行います。
また、アミノ酸等の荷電を持つ物質の場合には、吸光度検出器や他の検出法を用います。

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サンプルが通るときのカラムの中

イオンクロマトグラフが使用される分野

環境分野では水質分析に用いられ、医薬分野では、合成したタンパク質の分離・精製や品質管理の手法として利用されます。また、工業化学の分野では、ウェハ表面の付着物の分析等に用いられます。

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