研究用語辞典

好気性生物と嫌気性生物とは

生物学系

最終更新日:2023.07.03

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好気性生物と嫌気性生物

酸素は地球上の化学物質の中で、特に安定しない物質で、化学反応を起こしやすい物質です。生物はこうした酸素を、呼吸という行為で体の中に取り込み、化学反応を起こしてエネルギーを得ています。しかし一方で、酸素を好まない生物もいます。
好気性生物とは、酸素を利用した代謝機構を備えた生物のことです。
細胞が呼吸を行う過程で、例えば糖や脂質のような基質を酸化してエネルギーを得るために酸素を利用します。ほとんど全ての動物、真菌類、そしていくつかの細菌は酸素がないと生育できない偏性好気性の生物です。
嫌気性生物とは、生育に酸素を必要としない生物のことで、ほとんどの嫌気性生物は細菌です。
代表的なものは、嫌気性細菌とよばれるもので、地中や海中等、酸素のない場所に生息しています。人の腸の中に生息するビフィズス菌も嫌気性の菌になります。
また、いくつかの嫌気性細菌は、人を含む高等生物に対して極めて危険な毒素(例えば破傷風毒素やボツリヌス毒素のような)を産生することが知られています。
嫌気性生物はその生息過程で酸素を必要としないため、急激な活動はできませんが、分解活動を行って有機物を分解し、物質の浄化に役立っています。
このように地球上では好気性と嫌気性の生物が共存して程よい環境を作り出しています。

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