X線結晶構造解析とは
X線結晶構造解析とは、散乱されたX線を観測することで、物質の中の電子の分布、すなわち、物質の三次元構造を知る手法のことです。
1912年にマックス・フォン・ラウエが、X線が結晶格子によって回折(媒質中を伝わる波動に対し障害物が存在するとき、波がその障害物の背後等に回り込んで伝わっていくこと)をされる現象を発見し、X線の正体が波長の短い電磁波であることを明らかにしました。
この回折の結果を解析して結晶内部で原子がどのように配列しているかを決定することが可能です。
構造解析の分野
X線結晶構造解析等の手法を利用して、結晶の幾何学的な特徴や、光学的な性質、物理的な性質、化学的性質等を研究する構造解析の分野があります。
例えば生物を形作る巨大な生体高分子、特にタンパク質や核酸の立体構造を研究することで、生物機能の仕組み(原理)を、その立体構造に基づいて明らかにすることができます。
X線結晶構造解析のほかに、シンクロトロン放射光結晶構造解析やNMR(核磁気共鳴)といった手法がとられます。