研究用語辞典

カーボンナノチューブとは

化学系

最終更新日:2023.07.11

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カーボンナノチューブとは

カーボンナノチューブは、直径0.7~70nmで長さが数十程度の円筒の形をした炭素の結晶です。
炭素の結晶としては黒鉛やダイヤモンドがよく知られていますが、1985年にサッカーボール形の構造をもつフラーレンが米・英の科学者により発見され、1991年に飯島澄男氏がフラーレンの観察中にカーボンナノチューブを発見しました。
カーボンナノチューブは、炭素原子が六角形に配置されたグラファイトシートを円筒状に巻いた形をしており、巻き方や大きさにより様々な立体構造の結晶が存在しています。
細くて軽く、非常に強いという性質の他に、立体構造の違いで様々な性質を示し、新素材として注目を浴びています。半導体やLSI配線、マイクロマシンやドラックデリバリー等、様々な分野で応用研究が行われています。

カーボンナノチューブの作製方法

アーク放電法、レーザー蒸発法、化学的気相成長法(CVD法)の3種類がカーボンナノチューブの代表的な作製方法です。

  • アーク放電法
    2本の炭素電極に高電圧をかけアーク放電をおこすと、陰極側の堆積物(スス)に多層ナノチューブが生成されます。効率はあまり良くありませんが、多層ナノチューブの作製に適しています。
  • レーザー蒸発法
    触媒を混ぜた炭素に強いレーザー光をあてると、気化した炭素と触媒が反応し、単層ナノチューブが得られます。効率は悪いですが、高純度の単層ナノチューブが作製できます。
  • 化学的気相成長法(CVD法)
    炭素を含むアセチレン(C2H2)やメタン(CH4)等と金属触媒を500~1000の高温状態で化学反応をさせ、カーボンナノチューブを作製します。大量生産や向きをそろえること(配向)に向いています。

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