研究用語辞典

セルロースとは

生物学系

最終更新日:2023.04.17

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セルロースとは

セルロース(cellulose)とは、多数のβ-グルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した天然の高分子化合物の一種で、植物の細胞壁および繊維の主成分です。ごぼうや豆類等といった野菜に含まれています。植物は全てセルロースを主構成成分として含んでおり、地球上でもっとも多く存在する炭水化物です。
天然の高分子物質で、水や熱水に溶けず、人間は消化分解することができません。
ただ、セルロース溶剤とよばれるいくつかの溶剤があり、また、誘導体化により溶媒溶解性を付与することも可能です。

セルロースの利用

セルロースは紙・パルプ・衣料用繊維等、工業的にも広く利用され、人類との関わりも古く、様々な形で活用されています。

  • 再生繊維
    綿やパルプから採取されたセルロースは短い繊維状になっていますが、化学処理を加えて溶解させることで、長い繊維状のセルロースとして再生可能になります。
  • レーヨン
    レーヨンはセルロースを原料にして作られる人工繊維です。
    最近は、木材のセルロースを原料としてテンセルという繊維も作られています。
  • 皮膜形成剤
    水で溶かすと粘りを増す作用があり、増粘剤として使用され、強靭で柔軟な被膜を形成する働きがあります。口紅やマニキュア等の皮膜形成剤として使用されています。
  • 綿火薬
    セルロースを硝酸で処理するとニトロセルロースとなります。これはセルロースの硝酸エステルで、加熱や衝撃を与えることで爆発します。
    煙を出さない無煙火薬の原料の一つとして用いられていますが、もともとは綿をセルロースの原料としていたので、綿火薬と呼ばれます。
  • セルロイド
    セルロイドはニトロセルロースにショウノウを混ぜて作られたプラスチックの一種で、人形・お面等の玩具やフィルム材料として使われてきました。 とても燃えやすい材料のため、現在ではセルロイドに替わって、「アセチルセルロース(酢酸セルロース)」としての利用が主要となっています。

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