研究用語辞典

触媒とは

化学系

最終更新日:2023.04.17

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触媒とは

触媒とは、それ自身は変化しないで化学反応を促進する物質のことです。厳密には、触媒はその反応に対して何らかの相互作用を生じ、時に触媒自身も変化します。これによって反応の経路を変え、反応を促進することができます。反応した後、触媒は元に戻ることで、結果的に触媒自身は変化せずに残ります。
ほとんどの化学反応は、化合物同士を混ぜただけでは進行しません。化学反応を進行させるために、「温度を上げる」という方法がよくとられます。しかし触媒を用いることで、より少ない熱(場合によっては室温よりもっと低い温度)で反応を進行させることが可能になります。
今日では、反応の種類に応じてたくさんの種類の触媒が開発されています。
特に化学工業や有機化学の分野では、触媒は重要な役割を持っています。また、生物にとっては酵素が重要な触媒として働いていることも知られています。

実用動向

触媒は様々な分野で重要な役割を持っていますが、身近なところでは、以下のようなものが広く利用されています。

  • 粉末消火薬剤、ハロゲン化物消火薬剤を利用した消火器
    酸素と可燃物の結合、つまり燃焼を妨げる作用がある物質(例えばリン酸アンモニウム等)を利用しています。
  • プラチナ(白金)を触媒とし、炭化水素燃料との反応熱を利用するカイロ
    廃棄物を出さない触媒反応カイロは近年見直されてきています。
  • 自動車の排気ガス処理
    排気ガス中の有害物質は触媒によって分解されています。
  • 原油の精製
    原油を精製する前に有害な硫黄化合物を除去する際にも、触媒が使われています。

新たな触媒が開発されれば、反応に必要なエネルギーを減らすことができ、環境への負担が少なくてすみます。
限られた条件で、目的とする化合物を作るためには、新たな触媒の開発が鍵となるのです。

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