研究用語辞典

ゲノム創薬とは

生物学系

最終更新日:2023.07.11

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ゲノム創薬とは

ゲノム創薬とはゲノム情報を利用して、新しい薬やより効果が高く副作用の少ない薬を開発する分野です。
従来の創薬は、研究者の経験や類似の病気に対する薬剤の情報等をもとに膨大な種類の候補化合物を合成し試験するという手法が一般的であり、実用化に至るまでに長い期間と労力を要してきました。
それに対し、ゲノム情報が蓄積され、その情報を活用する技術が急速に発達した近年では、病気と関連する遺伝子を特定しその遺伝子や、コードされているタンパク質をコントロールできる薬の開発を行う「ゲノム創薬」が薬の開発手法の主流になりつつあります。

ゲノム創薬に使用される技術

一般的に薬は、病気の原因となるタンパク質に作用し、その機能を抑制する等の働きをすることで薬効を示します。そのため、あらかじめ病気の原因となるタンパク質の構造や機能を知ることができれば、その情報をもとに薬をデザインすることができ、開発期間や費用を大幅に押さえることができます。
薬をデザインするためには、まず病気の原因となる遺伝子やタンパク質を突き止め、それらの機能や構造を知る必要があります。そのために活用される技術がDNAマイクロアレイニ次元電気泳動といったゲノムプロテオーム技術やX線結晶構造解析技術等です。
近年、これらの技術が発達・高速化すると同時に、多くの解析情報が蓄積されています。その結果、バイオと情報が融合したバイオインフォマティクス分野において、コンピュータを用いて既知の情報から未知の遺伝子・タンパク質の機能や構造を予測する研究が活発化し、その精度も著しく向上しています。
人それぞれのわずかな遺伝子配列の違いを解析し、個人に適した治療を行うオーダーメイド医療や、オーファン受容体解析による新規薬剤探索の活発化に伴い、ゲノム創薬分野は今後急速に発展していくと考えられます。

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