バイオ燃料とは
バイオ燃料とは、生物を原料・資源として生産される燃料のことを指します。近年、サトウキビやトウモロコシ等から作られるバイオマスエタノールが地球に優しいエネルギー源として注目を集めています。
原料と製造方法
バイオマスエタノールの原料は、炭水化物を含む生物由来の資源であれば全て利用可能です。
しかし、エネルギー源としての利用を念頭に置いた場合、生産効率の面から糖質やデンプン質を多く含む植物資源が好ましく、サトウキビやトウモロコシが原料として汎用されています。
使用する原料から糖分を抽出した後、酵母によるアルコール発酵によって第一段階のエタノールを生成します。その後、蒸留やろ過等の精製過程を経て純粋なエタノールが生産されます。
利点と課題
エタノールを燃料として利用した場合、他の多くの燃料と同様に二酸化炭素が発生します。
また、燃焼により生み出されるエネルギーは、ガソリン等の現行燃料に比べ劣っています。
それにも関わらずバイオマスエタノールが注目されているのは、
- 再生可能な生物資源から生産していること
- バイオマスエタノールを燃焼させて発生した二酸化炭素は、生物体から発生したものであるため、地球上の総二酸化炭素量が変化しないこと(カーボンニュートラル)
等の利点があるためです。
しかしながら、実用化が可能な量を生産するためには、広大な耕地で原料となる植物を栽培しなくてはなりません。その際に使用する肥料の生産や農機の燃料等に通常の燃料が使用されてしまうことや原料からエタノール生産までの製造工程で二酸化炭素が発生してしまうこと、さらに世界的な注目が集まった結果、各地で農地拡大が進み環境破壊を助長する可能性があること等を考慮すると、持続可能なエネルギー源として実用化するためには解決すべき課題が山積している状況です。