研究用語辞典

透過型電子顕微鏡(TEM)とは

生物学系

最終更新日:2023.04.17

シェアする:

  • X(旧Twitter)で共有する
  • Facebookで共有する
  • LINEで共有する
  • リンクをコピーする

透過型電子顕微鏡とは

透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)は電子顕微鏡の一種であり、高電圧で加速された電子線を試料に照射して、試料を透過した電子の干渉像を拡大して観察するものです。

原理

TEMでは、試料に照射した電子線の透過率の違いを利用して観察します。試料の表面・内部構造や構成している成分の違いにより、電子線を透過させる割合が異なるため、観察場所によって検出する電子線の密度が変わり、求める顕微鏡像となります。また、照射した電子線が試料を透過することが前提となるため、観察する試料は100nm以下まで薄く切る必要があります。

実用動向

微細な物質の観察に適していることからSEMと同様に工業分野での利用が主でしたが、観察可能な薄い試料切片を作成する技術(薄切法)の発展に伴って、生体試料の観察が必要な生物学分野での利用も盛んになっています。
また、近年は従来の電子顕微鏡に比べ10倍以上の加速電圧を持つものも開発されており、これまでの10倍程度の厚さがある試料も観察することが可能になりました。
今後もSEMとともに幅広い分野で汎用されていくと考えられます。

TEM概念図

関連サイト

新卒学生の方はこちら

WDBエウレカ社 採用サイト

求職者の方はこちら

WDB.com

法人の方はこちら

doconico