研究用語辞典

ノーザンブロッティングとは

生物学系

最終更新日:2023.04.17

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ノーザンブロッティングとは

ノーザンブロッティング(Northern blotting)とは、特定の配列をもつRNA断片を検出する実験手法です。
DNA断片を検出するサザンブロッティング(開発者サザンの名前が由来)と同様の原理で検出する手法であるため、サザン(南)にちなんでノーザン(北)と名づけられました。

目的と原理

研究対象である遺伝子の発現パターンや機能を調べる際、DNAからmRNAへの転写段階での挙動を調べなくてはなりません。
サザンブロッティングが、設計図であるDNAの検出法であるのに対し、ノーザンブロッティングによるRNAの検出は、その遺伝子が実際に機能を発現するときの足跡を調べることになります。
生物が種によって、また発育段階によって多様な表現型を示すのは、DNAレベルの差異よりもmRNAへの転写レベル、タンパク質への翻訳レベルで多様な制御を行っているためだと考えられており、その点でRNAの挙動分析は極めて重要であると言えます。
一般的には、細胞から核酸(DNA+RNA)を抽出した後、サンプル中のRNAが分解しないよう、RNaseを含まないDNaseを用いてDNAのみを消化し、アガロース電気泳動等によって展開します。
このゲルを拡散もしくは吸引によってメンブレン(膜)に転写(ブロット)し、検出したいRNA配列に相補的な配列を持つプローブ核酸を結合(ハイブリダイズ)させることで標的RNAの量、サイズを検出します。標識は放射性同位体(RI)を用いた方法が一般的でしたが、最近はジゴキシゲニン(DIG)等の化学物質をプローブ核酸に結合させ、それに対する抗体を用いた非RI法が汎用されるようになっています。

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