研究用語辞典

プロテオームとは

生物学系

最終更新日:2023.07.03

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プロテオームとは

ゲノム」が遺伝情報の総体を指すのに対し、遺伝子配列をもとに発現するタンパク質の総体を指す名称がプロテオームです。タンパク質(protein)と総体(-ome)を組み合わせた造語で、近年その解析技術の進歩に注目が集まっています。

プロテオミクス

遺伝子を扱う技術の進歩に伴い、ゲノム、トランスクリプトームの解析が精力的かつ網羅的に実施されるようになりましたが、遺伝子とその転写過程の調節機構を探るだけでは、生物の多様かつ神秘的な体内機構を解明するには不十分であると認識されるようになりました。
そこで、生物の表現型に最も近い機能性分子、すなわちタンパク質レベルでの変化を網羅的に解析する必要性が再認識されるようになりました。その過程で生まれた言葉が「プロテオーム」であり、プロテオームを研究する分野を「プロテオミクス」と呼びます。
プロテオミクスにおける最重要な実験技術としては、多様なタンパク質を迅速かつ網羅的に分離する「ニ次元電気泳動」と、分離したタンパク質の内部アミノ酸配列を決定するためにマトリックス支援レーザー脱離イオン化法(MALDI法)を用いた「TOF-MS」です。
これらの技術進歩と、ゲノム、トランスクリプトーム解析技術を融合することにより、DNA→mRNA→タンパク質という「セントラルドグマ」全ての段階を網羅的に解析することが可能となりました。
現在、様々な生物種において、ゲノムだけでなく、プロテオームに関するデータベースが整備されつつあり、これらの情報を活用して、多くの生物種で新たな知見が得られるものと期待されます。

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