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バイオ系の用語テロメア

【概要】

テロメア(telomere) はギリシア語で「末端」を意味する「テロ/telos」 (telos) と「部分」を意味する「メア/telos」 (meros) から作られた単語です。テロメアは特徴的な繰り返し配列をもつDNAと、様々なタンパク質からなる染色体の末端にある構造です。

【性質】

細胞が分裂する過程でDNAの複製が行われますが、直鎖状染色体DNAが複製されるとき、新生DNA鎖の5’端は鋳型に比べて短くなります。これは末端複製問題とよばれており、DNA複製がプライマーとよばれる核酸の断片から一方向にDNAを合成していく反応であるために鋳型鎖の3’最末端(新生鎖の5’末端)が合成されないことが原因で起こります。また、鋳型鎖の5’端も複製後に分解されるため、新生鎖と鋳型鎖はともに複製の度に5’末端が50~150塩基ずつ短縮していきます。つまり5’末端から遺伝子が失われていくことになりますが、テロメアが付いているためテロメアが短縮していくことになります。そして、テロメアがある一定の短さに達すると分裂は起こらなくなります。しかし、テロメアは細胞分裂のたびに短縮するのではなく、テロメラーゼと呼ばれる酵素によって伸張が行われます。この酵素がない細胞では、細胞分裂のたびにテロメアが短くなります。テロメラーゼはヒトの体細胞では発現していないか、弱い活性しかもちません。 なお、細菌やミトコンドリアなどがもつ環状のDNAでは末端複製問題が起こらないため、DNAが複製で短くなることはありません。したがってテロメアは存在せず分裂寿命も存在しません。
末端複製問題

【活用例】

テロメラーゼ遺伝子を導入することで、細胞のテロメアを自己修復できるようになり細胞が若返る、つまり不老不死につながるのではないかと期待されています。また、ガン治療へ応用も試みられています。

【歴史的背景】

テロメアはハーマン・J・マラー(1938年)とバーバラ・マクリントック(1939年)によって報告され、テロメアを「染色体の末端を保護する染色体の要素」と定義しました。分子生物学の発展によりDNAの複製機構が明らかになると、直鎖状DNAの複製問題が浮上しましたが、これはテロメア合成酵素であるテロメラーゼの発見によって1985年に解決をみました。現在では、細胞の老化の抑制やガン治療への応用が研究されています。

【取扱い注意点】

テロメア短縮の進行には外的要因も影響します。例えば、過剰栄養が高コレステロールなどを起こし寿命を縮めることは知られていますが、テロメアに関しても細胞分裂が短時間に起こるためにその短縮が早まることが確認されています。急速な細胞分裂を誘発する生活習慣(高コレステロールの食事など)を改めることで、元の細胞の寿命をある程度維持できると考えられます。

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