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バイオ系の用語生物濃縮

【概要】

通常の物質は、生物内に取り込まれてもいずれは代謝によって体外に排泄されます。ところが特定の物質は、いったん体内に取り込まれるとほとんど体外に排泄されずに、長期にわたって体内に蓄積されることがあります。そのような物質が食物連鎖によって上位の捕食者に移動していくと、生態ピラミッドの構造とは逆に、上位の捕食者ほど蓄積した物質の濃度が高くなっていくことになります。このような現象を生物濃縮といいます。

【性質】

生物濃縮は、有機塩素化合物や有機水銀化合物などで見られます。生態系の各栄養段階において、ある物質Sがどのようにして濃縮されているのかを表すときには、物質Sの環境中の濃度と生体中の濃度の比である濃縮係数が用いられます。ただし、生態中の濃度は通常、乾燥重量を用います。

生物濃縮はフグ毒や貝毒の原因として知られています。フグ毒や貝毒の原因物質テトロドトキシン(tetrodotoxin)やサキシトキシン(saxitoxin)は、渦鞭毛藻などの有毒プランクトンが原因であり、これを捕食する食物連鎖の結果生物濃縮が起こり、フグや貝で中毒症状を起こす可能性が発生するのです。

【活用例】

生物濃縮を利用した環境汚染の調査

【歴史的背景】

生物濃縮による環境被害は、1962年に出版されたレイチェル・カーソン(Rachel Carson)の著書『沈黙の春』でDDT(ジクロロジフェニルトリクロロエタン)などによる生物濃縮問題を論じたことで、よく知られるようになりました。 生物濃縮が原因として起こった中毒症として、メチル水銀が原因となった水俣病等が有名です。水俣病は1956年に熊本県水俣市で発生が確認され病名の由来となりました。水俣病では工場廃液からメチル水銀が発生し、これが生物濃縮によって魚介類に蓄積し、その魚介を口にした人々に中毒症状が現れました。メチル水銀は、環境中から食物連鎖に取り込まれたあと生物濃縮されることによって、マグロなどに高濃度で蓄積されます。汚染された食物を摂取すると水銀中毒が起こります。

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