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バイオ系の用語プライマー

【概要】

プライマーは、DNA複製の新しいDNA鎖伸長時にDNA合成の開始点となる数ヌクレオチドのRNAです。プライマーの長さは、一般に大腸菌などで2〜5ヌクレオチド、真核細胞で5〜8ヌクレオチドです。

【性質】

DNAポリメラーゼは既存のDNA鎖を5’末端から3’末端に伸長することができますが、新しいDNA鎖の合成を開始することはできません。そのためにDNA伸長開始の起点となるプライマーの存在が必要となります。プライマーはプライマーゼという酵素によって合成され、プライマーゼはプライモソームという複合体の成分の一つとして機能しています。プライモソームはプライマーゼ以外にも多くのポリペプチドを含み、DNAポリメラーゼVとともにレプリソーム(DNA合成に関わるDNAポリメラーゼやDNAヘリカーゼなどを含む巨大なタンパク質集合体)の一部をなしていることが大腸菌などで知られています。
DNAの2本鎖は互いに逆方向なので、DNAの合成において5’→3’方向への伸長が複製フォークの進行方向に等しいリーディング鎖と、複製フォークの進行方向とは逆方向に5’→3’の方向に伸長するラギング鎖の2種類の鎖があります。ラギング鎖ではDNAの合成が不連続に行われ、ラギング鎖が合成されるたびにそれぞれプライマーが合成されます。そのためラギング鎖にはいくつものRNAプライマーが合成されることになりますが、これらのプライマーはエキソヌクレアーゼ活性をもつDNAポリメラーゼTによって除去されます。

【活用例】

DNAの複製にはプライマーの存在が必要となるため、任意の配列を持ったプライマーの利用がPCR(Polymerase Chain Reaction:ポリメラーゼ連鎖反応)や塩基配列解析(サイクルシーケンス法)に特定のDNA鎖を増幅する手段として利用されています。PCRなどで利用されるプライマーは自然界で合成されるものよりも長鎖(一般に20ヌクレオチド程度)となり、RNAではなくDNAが用いられることが多くなります。

【合成ルート】

自然界では、プライマーはDNAプライマーゼまたはRNAポリメラーゼによって合成され、鋳型となる一本鎖DNAと対をなす短い断片となります。PCRなどで用いられるオリゴヌクレオチドはホスホロアミダイト法によって合成されます。

【取扱い注意】

PCRを行う場合、プライマーの設計がDNA増幅においてDNAの増幅対象を決定づけるため重要です。これが不適切であった場合、意図しないDNA増幅が起きたりDNA増幅が得られないことが起こり得ます。

【参考文献】
・ホートン生化学 第3版 P473-496
・エッセンシャル遺伝子学 P179-210

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