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バイオ系の用語酵素反応速度論

【概要】

酵素には高い特異性、反応選択性があり、鍵と鍵穴の関係のように活性部位にぴったりとはまる物質(基質)のみ複合体を形成し、触媒反応を起こします。酵素は吸収・輸送・代謝・排泄に至るまでのあらゆる過程に関与し、生体が物質を変化させて利用するための化学反応に欠かせない存在です。この化学反応を反応速度の面から研究しているのが、酵素反応速度論です。酵素の反応速度論を研究することで、酵素反応の機構、代謝における役割、活性調節の仕組み、薬物や毒が酵素をどう阻害するかといったことを明らかにできます。
生体で触媒として働くのはタンパク質でできた酵素だけではありません。RNAによる触媒、つまりリボソームのようなリボザイムは、RNAスプライシングや翻訳といった多くの過程で不可欠です。リボザイムと酵素の主要な違いは、RNAのほうが触媒できる反応が限られているということです。もっとも、RNAによる触媒の機構も、タンパク質酵素の場合と同じ方法で解析し、分類することができます。

【性質】

酵素の反応速度は、酵素と基質の濃度で決まります。酵素濃度が一定の時、基質を増加させると反応速度は最大に向かって曲線的に増加します。この性質は、酵素が基質に対して一定数の結合部位を持っていることを示し、すべての結合部位を占有されると反応速度の増加が見られなくなります。つまり、酵素が基質で飽和された状態であることを示し、酵素の最大反応速度であることが言えます。

【活用例】

ATP合成酵素:ADPとリン酸からアデノシン三リン酸 (ATP) の合成を行う酵素反応。ATPは生体エネルギーとして重要な役割を担っています。

【取扱い注意点】

酵素はタンパク質で出来ているため、熱やpHの影響を受けやすくなります。最適温度(最適pH)が最も反応速度が早く、高温や強pHにさらされるとタンパク質が変性し酵素反応を行わなくなります。温度やpHといった環境要因に注意して実験を行うことが必要です。

【歴史的背景】

化学反応速度論の原点はミカエリスとメンテンスによる共同研究で発表されたミカエリス・メンテンスの式と言えます。レオノール・ミカエリスは、ドイツ生まれの医学博士であり、新設の愛知医学専門学校(現・名古屋大学医学部)の教授として生化学の振興にも貢献しました。モード・レオノーラ・メンテンはカナダでは初の女性医学博士であり、当時の母国では女性研究者は認められなかったため、ドイツやアメリカをおもな研究拠点としました。ミカエリス・メンテンス式を基に、現在ではより精度が高い方法で反応速度を求めることができるようになりました。

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