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バイオ系の用語抗原シフト(抗原不連続変異)

【概要】

抗原とは、抗体によって特異的に認識される物質の総称であり、多くは細菌やウイルスのような外来の病原体のタンパク質などを指します。脊椎動物はこのような抗原と抗体の特異的な反応(抗原抗体反応)を利用して複雑な免疫系を構築し、細菌やウイルスなどの病原体を除去しています。
一つの細胞に2種類のウイルスが感染した場合、遺伝子が細胞内でシャッフルされ、その子孫は2つのウイルスの遺伝子が混ざったウイルスとなり、新しい抗原を持つ可能性があります。このような現象はインフルエンザウイルスによく見られます。抗原シフトにより免疫の消失やワクチンの不適合が生じる可能性があります。

【性質】

抗原シフトは表現型の変化を伴う遺伝子再集合の特殊な事例です。遺伝子再集合は2つの類似のウイルスが存在する場合に起こる遺伝物質の混合現象であり,インフルエンザウイルスの大幅な変異の原因となったこともあります。抗原シフトあるいは遺伝子再集合は高いウイルス密度の環境下で起こりやすいと予想されます。
インフルエンザウイルスの抗原変異において、抗原シフトと抗原ドリフトで対比することが出来ます。抗原ドリフトはA型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルスのいずれにも認められます。一方で抗原シフトはA型インフルエンザウイルスでしか起こりません。A型インフルエンザウイルスのみがヒト以外に感染するからです。ヒトのインフルエンザウイルスとトリのインフルエンザウイルスが同時にブタに感染し、大部分のヒトインフルエンザウイルスの遺伝子を残したまま表面抗原の遺伝子(ヘマグルチニン,ノイラミニダーゼ)がトリインフルエンザウイルスに由来した抗原シフトが起こった場合、多くのヒトで免疫系が機能しない、もしくはわずかな機能しか示さない可能性があります。

【活用例】

インフルエンザについての重大な課題として研究されています。

【歴史的背景】

1957年のアジアかぜ、1968年の香港かぜ、1976年の豚インフルエンザの流行は抗原不連続変異が原因となり発生しました。最近まで、1918年に発生したスペインかぜは抗原不連続変異を原因とする株によるものと信じられていましたが、最近の研究では、トリのインフルエンザウイルス株の抗原連続変異によりヒトに対して効果的に感染できるようになったために発生したものであることが示唆されています。

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