研究用語辞典

アルコールとは

化学系

最終更新日:2023.09.14

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概要

化学においてのアルコールとは、炭化水素のHを水酸基OHで置換した形の化合物のことをいいます。消防法上では、炭素数1~3の飽和一価アルコール又は変性アルコールを成分として有する物品について、これらアルコール又は水以外の成分(第三成分)の含有率が 10%未満であり、第三成分中に危険物に該当する化合物等が存する場合、当該化合物等の割合が炭素数 1~3 の飽和一価アルコール又は変性アルコールの合計量の10%未満である場合には、第4類の「アルコール類」に該当しています。

性質

代表的なアルコールのメチルアルコール(メタノール)、エチルアルコール(エタノール)、n-プロピルアルコール(1-プロピルアルコール)の性質は以下の通りです。

代表的なアルコールの性質

活用例

科学あるいは産業の領域で、アルコールは試薬、溶媒そして燃料として広く使用されています。最先端技術の領域では、ガソリン、あるいは有害な排気ガスを発生させる炭化水素の代換品として、よりクリーンに燃焼するエタノールやメタノールを使用する技術が確立されました。また低い毒性と非極性物質を溶解させる性質により、エタノールは医薬品、香水、バニラのような植物エッセンスの溶媒としてしばしば使用されます。 低分子のアルコールは、化粧品、食品あるいは工業用溶剤として利用されます。高分子のものはバイオ燃料として重要視されています。

合成ルート、作製・精製方法

多くのアルコールが、酵母を使って果実や穀物を発酵させることによって得ることができます。これらのうち、エタノールだけが発酵法で商業的に生産され、燃料や飲料の用途向けに用いられています。他のアルコールは、天然ガス、石油あるいは石炭の副産物から工業的に生産されています。直鎖で炭素が偶数個の高級アルコールは、油脂を加水分解して得られる脂肪酸を還元することで製造されます。最も単純なアルコールであるメタノールは、触媒の存在下で二酸化炭素を水素で還元すると得られます。

取扱い注意点

炭素数3までの飽和1価アルコール(変性アルコールを含む)は、消防法において危険物第4類引火性液体アルコール類の対象となります。指定数量は400Lで、取扱量によって市町村等への届け出、管理(危険物保安監督者の選任等)、表示義務等の規制があります。
メタノールは揮発性が高く、メタノールの入った容器を直接火にかけると爆発する恐れがあるため、保管場所・使用場所における火気や電気火花について念入りに注意しなければいけません。特に使用する場所では十分な換気と、容器を倒さないこと、液をこぼさないことに注意が必要です。
エタノールはメタノールのような毒性はありませんが、揮発性・引火性はメタノールと同様なので、火気との接触がないよう取扱いには十分注意する必要があります。

参考文献

奥吉 新平、福井 清輔(2007) 「これだけ!甲種危険物試験合格大作戦」弘文社

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