研究用語辞典

クロスリンカーとは

生物学系

最終更新日:2023.07.03

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クロスリンカーとは

クロスリンカーはタンパク質やDNA等の生体分子に他の分子を人為的に結合させたいとき、リン酸基、メチル基、アセチル基等の小分子と生体高分子を直接反応することができます。しかし、立体構造や反応部位の置換基の組み合わせ等の問題で、両者間で前述のような有効な結合ができない場合には、クロスリンカーを用いることで両者を結合させることができる場合があります。クロスリンカーとは、生体高分子と小分子を結ぶ紐とイメージしていただければわかりやすいです。紐の両端には置換基があり、その置換基がそれぞれ生体高分子、小分子と結合するのです。また、この手法は高分子同士にも用いられることがあります。さらに、紐が長いものを特にスペーサーといいます。
代表的なクロスリンカーとしては、グルタルアルデヒド、DST、SPDP、DSG等が知られています。それぞれ、結合できる置換基がことなっているので、必要に応じて使い分けなければなりません。
バイオ実験でクロスリンカーを用いる場合にはそれぞれ最適の反応条件があるため、一般的にリンカーが多すぎたり少なすぎたりしないよう、最適な量を確認してから用いなくてはなりません。さらに、どの部位にどのような状態で結合するのか、可能性を十分に考慮して用いることが重要であり、必要に応じて確認する必要があります。

<クロスリンカーとスペーサー>

クロスリンカーとスペーサー

参考文献

バイオ研究者が知っておきたい化学の必須知識
発行所:(株)羊土社
著者:齋藤 勝裕 P.165~166

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