研究用語辞典

致死量とは

化学系

最終更新日:2023.04.17

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致死量とは

毒の強弱ををあらわすものとして致死量があります。図は致死量をグラフに表したものです。横軸は検体に飲ませた毒物の量を表し、縦軸はその結果死亡した検体の割合を表しています。服用させた毒が少ない間は死亡しないが、ある量を境にして検体が死亡し始めます。このときの最小値をLD0といいます。
そして、投与量を増やしてゆき被検体の50%が死亡する服用量を50%致死量LD50、さらに投与量を増やしてゆき、最終的に被検体の100%が死亡した服用量を完全致死量LD100とよびます。したがって、致死量が少ない毒ほど強力な毒であることを表しています。このような実験は通常、マウス等の小動物を用います。
体重が100g程度のマウスや数kgのイヌ等を用いた実験では、致死量と体重の間に相関関係が成り立つことがわかります。そのため致死量は1kg当たりの量で表され、例えば体重65kgの成人に当てはめて考える場合は65倍にする必要があります。
一般的に用いられる値はLD50ですが、単純に『経口致死量』といわれる量を用いることもあり、これは定義がはっきりしないものの『成人男子が命を落とす量』として捕らえられています。
また、検体として用いた動物の種類によって、同じ毒物でも致死量は異なります。致死量は必ずしも科学的に正確な値とは限らず、投与される検体によって異なるため、比較する場合にもその生物の特性を考慮して扱わなければなりません。

致死量

参考文献

バイオ研究者が知っておきたい化学の必須知識
発行所:株式会社羊土社
著者:齋藤 勝裕 P.144~145

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