研究用語辞典

総量分析とは

化学系

最終更新日:2023.09.22

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総量分析とは

化学物質は完全に同じ構造でなくても、似た構造をもつものどうしは似た性質を示します。単一の化学種ごとに分離せず、似た性質をもつ物質をまとめて測定する方法を総量分析と呼びます。
似た性質をもつ物質をまとめて測定するのは、簡便であり時間・費用ともに抑えられるのが最大の利点です。しかし、想定外の物質を発見できるという利点もあります。これは、大まかなくくりごとに分析することで、化学種ごとに厳密に分析する場合には見落としがちな想定外の異常や汚染が発見しやすくなる場合があるためです。そのため、環境規制・環境モニタリングや品質管理において汎用されています。

主な総量分析

主な水質分析を表に示しました。この中でTOCは排水や環境水のような混合成分の多い水の汚染指標としてのみでなく、化学分析に用いる蒸留水や超純水の純度の指標としても用いられています。
また、食品分析で用いられる糖度測定も総量分析の一種です。糖度計は屈折率を計ることにより糖度を算出していますが、これは砂糖水が水より大きな屈折率をもつことを利用して測定されています。糖以外にも塩類、タンパク質、酸等様々物質を含む水も屈折率が異なるため、これらを含むサンプルを糖度計を用いて測定することが可能です。
この他、環境の水質監視に用いられる電気伝導率測定、SPM(浮遊粒子状物質)の濃度測定に用いられる光散乱法、エステル(主に油脂)の平均分子量を推定するためのけん化価測定等があります。

水質測定に用いられる総量分析

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