研究用語辞典

蛍光と蛍光分光光度計とは

化学系

最終更新日:2023.04.17

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蛍光とは

物質が光を受け、受けた光より長い波長(低いエネルギー)の光を放出する現象のことをいいます。尚、放出される光は、減衰時間の短いものを蛍光、長いもの(エネルギーの照射をやめてもしばらく光り続けるもの)を燐光として分類しています。

蛍光分光とは

光のエネルギーを吸収した分子は不安定な状態であるため、通常は熱としてエネルギーを放出して安定状態に戻ろうとします。このとき光としてエネルギーを放出するものもあり、この光を検出器に受けて定性や定量を行うのが蛍光分光分析です。
蛍光光度法の感度は吸行光度法の1000倍程度です。自ら蛍光を発する物質もあるものの、多くの場合は蛍光誘導体化試薬と反応させて検出します。蛍光分光光度計の仕組みは下図の通りです。検出系は光源(キセノンランプ)の入光ビームに対して90℃になるよう設置されています。
蛍光スペクトルは照射する光(励起光)と放出される光(蛍光)の2つで一組です。蛍光分光光度計を用いて定量を行う場合励起波長と検出波長を設定するか、最適波長が蛍光スペクトルを取得して極大強度となる波長を見つけ設定します。
吸収された光子に対して放出された光子の数を量子収率といい、量子収率が高い化合物ほど高感度に分析することができます。

蛍光分光分析

応用

医薬品の分析、各種ビタミン、添加物の分析等に応用されています。

参考文献

図解入門 よくわかる最新 分析化学の基本と仕組み
発行所:(株)秀和システム 著者:津村 ゆかり p.106-109

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