研究用語辞典

緩衝液とは

化学系

最終更新日:2023.09.22

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緩衝液とは

酸や塩基を加えてもpHがあまり変化しない溶液を緩衝液といいます。
生体内では細胞内液や血漿が緩衝液として働いており、pHを一定にすることで生体内の化学反応条件を一定に保っています。緩衝作用が起こる仕組みを、リン酸緩衝液を例に説明します。

リン酸緩衝液では、(式1)の酸解離平衡が成立しています。

(式1)

式1

この系にH+が添加された場合、H+は塩基であるHPO42-と結合してH2PO4-になり、溶液中のH+濃度はあまり上昇しません。すなわち(式1)の平衡は左へずれます。
この系にOH-が添加された場合、(式2)のように酸であるH2PO4-と反応してHPO42-とH2Oとなるため、溶液中のOH-濃度はあまり上昇しません。すなわち、(式1)の平衡は右にずれます。

(式2)

式2

(式1)、(式2)の反応は、溶液中に酸と塩基が共存し、相互間の平衡が成り立ってはじめて起こる現象です。したがって、緩衝作用は弱酸とその共役塩基、あるいは弱塩基とその共役酸を含む溶液中で起きます。

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