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化学系の用語原子吸光分析

【原子吸光分析とは】

サンプルを化学炎などで熱解離し、基底状態の原子蒸気を生成します。これに特定波長の光を照射した際におこる原子の吸光現象を利用した定量分析法です。ほとんどの金属元素の微量な定量が可能であり、資料形態に依存しないという利点があります。一方、各金属元素によって異なる、特定の波長での検出が必要であるため、多元素を同時に分析できず、定性分析には不適です。

【原子吸光分析装置の各部分について】

・光源部
吸光スペクトルよりも線幅の狭い共鳴線を発する中空陰極ランプ(hollow cathode lamp)や放電ランプが用いられます。中空陰極ランプには、陽極、中空陰極、低圧不活性ガス(NeまたはAr)が封入されており、陰極は分析対象の単一元素あるいはその元素を含む合金で作られています。電極間に電圧をかけると放電がおこり、生じた希ガスイオンが陰極を叩き、金属原子が遊離します。これが更に希ガスイオンと衝突することで励起原子が生成し、基底状態に戻る際に生じる各金属原子固有の発光スペクトルを光源として用います。放電ランプは、Na、K、Cd、As、Hgなどの低沸点元素の光源として用います。金属あるいは金属塩と低圧の不活性ガスを石英管中に封入し、高周波をかけることで励起金属原子を生じます。放射強度は高いです。

・試料原子化部
サンプル中のイオンまたは分子を熱解離させ、原子蒸気を生成する。バーナーを用いた化学炎によるフレーム法と、黒鉛炉または金属アトマイザーを用いるフレームレス法に大分できます。
フレーム法では、助燃ガスと燃料ガスの組合せによって様々な温度のフレーム中に、試料を噴霧して原子蒸気を生成する。各ガスの組合せは、一般的には空気−アセチレン(最高温度2300℃)、酸化二窒素−アセチレン(最高温度3000℃)の系がよく用います。
フレームレス法では、化学炎の変わりに電気的に加熱して試料を原子化する。注入された試料をまず100℃近くで蒸発乾固し、温度を上げて有機物を灰化する。次に急速に温度を上げ、金属を原子化します。

・分光部・測定部
光源ランプから放射されるスペクトルのうち、目的元素の共鳴線だけを分離する。原子蒸気によって吸収された光の吸収強度を測定し、定量を行います。

【測定法】

・試料調整
フレーム法では溶液として分析を行います。フレームレス法では固体試料も分析可能です。溶媒としては、一般的には水が用いられるが、可燃性の有機溶媒も適しています。 適度な濃度の標準サンプルも同時に分析し、その検量線からサンプルの定量を行います。 高感度な分析なので、試薬、器具、溶媒からの汚染をできるだけ除去することが望ましいです。

・測定条件の選定
サンプルの熱解離の際に、イオン化物や酸化物、水酸化物などの生成を抑制し、効率よく原子蒸気を生成する条件を選ぶ必要があります。一般に、空気−アセチレンのフレームは多くの元素の検出に適しています。分析線の波長が短波長にあるAsやSeには空気−水素フレームが適しています。酸化二窒素−アセチレンのフレームは高温が得られるため、耐火性酸化物の分析に適しています。

【応用】

原子吸光分析では、ほどんどの金属元素が感度よく定量できます。そのため、環境分析においては工業用排水、河川・海水ならびに土壌中の金属元素の定量に用いられます。また、化学、農業、食品および生体試料中の金属元素分析にも用いられています。

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