研究用語辞典

微生物検査とは

生物学系

最終更新日:2023.04.17

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食品は様々な微生物の汚染を受けている可能性があり、条件によりその微生物が増殖する可能性があります。
それらが単なる腐敗細菌であれば食品の品質劣化の原因となるにとどまるが、病原細菌の場合は食中毒あるいは経口伝染病の発生につながります。このような潜在的危険性を予想して、公衆衛生の立場から法的に、あるいは自主的に微生物学的規格が定められています。

食品の微生物検査の目的

食品の微生物検査の目的には次の2つがあります。
第一は、食品が公的に定められた規格に適合しているかどうかを判断することを目的とする検査です。第二は、微生物学的品質管理のための検査で、いわゆる自主検査がこれにあたります。
こちらには、原料の鮮度管理としての一次汚染菌の検査と、施設や器具、従業員の手指からの二次汚染菌に対する管理を目的とする検査があります。
一般的に微生物検査の項目は、食品原料の種類や製品の形態によって異なります。そのため、その検査の目的によって適切に設定されなければいけません。
※現在の検査手法は培養法が中心的ですが、時間の短縮化や、より精度が高い検査の実現のために、PCR法等の分子生物学的な手法を利用した手法が開発されています。

PCR法を利用した微生物検査の図

ミニ知識

自然界には多くの微生物が存在し、食材の野菜・魚・肉等にも付着しています。
微生物のなかには、加工食品(ヨーグルト・納豆・酒・みそ等)や薬品の製造に役立っているものもあります。このような働きをする微生物を大きく分類すると、カビと呼ばれる菌類に属する麹カビ菌や酵母菌等、DNAが核膜に包まれた真核生物と、細菌のように核膜に包まれていない原核生物に分けることができます。
微生物の働きのうち、食品の味を低下させるものを腐敗や変敗と呼び、食品作りによい結果をもたらすものを発酵と呼びます。赤カビや青カビのように食品を腐敗させる悪者もいれば、発酵に役立つものもいるわけです。

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